執筆者:戸田 俊介|包茎なび 編集長/SEO検定1級・医療系メディア運営15年
群馬県高崎市を拠点に、Webメディアの企画・編集・執筆を15年以上にわたり手がける編集者。男性医療系コンテンツを中心に、ユーザーの実情に寄り添った情報設計を専門とする。2011年に「包茎なび」を立ち上げ、現在に至るまで編集統括を担当。
※本記事の医療情報は、厚生労働省・国民生活センター・日本泌尿器科学会等の公的機関の情報および各クリニック公式サイトの記載に基づいて編集しています。編集ポリシー/薬機法・医療広告ガイドライン準拠ポリシー/広告ポリシー
包茎の治療で、ステロイド軟膏を塗る方法があると聞いて、効果や塗り方、副作用が気になっている方は多いでしょう。
ステロイド軟膏は、包皮の口をやわらかくして広げ、亀頭を出せるようにするための塗り薬です。
子どもの包茎を対象にした国内の研究では、2〜6週間の治療で9割を超える子どもに効果があったと報告されています。
本記事では、ステロイド軟膏で包茎が改善する仕組み、塗り方と期間、副作用と注意点、市販薬の扱い、大人の場合の考え方を、公的機関と研究の情報をもとに整理しました。
自分に合う相談先がわかるチェックも用意したので、参考にしてください。
ステロイド軟膏で包茎が改善する仕組みと効果

ステロイド軟膏は、包茎の手術をしない治療(保存的治療)として使われている塗り薬です。
子どもの包茎を対象にした国内の研究では、2〜6週間で9割を超える子どもに効果が見られました。
研究の内容は、次の表のとおりです。
子どもの包茎にステロイド軟膏を使った国内の研究
スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0.3〜12歳の男児34人(中央値4.5歳) |
| 薬と塗り方 | ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏を包皮の先端に1日おきに塗り、包皮を根元のほうへ引くよう指導 |
| 期間 | 2〜6週間 |
| 結果 | 94.1%で効果あり(2週間の時点で58.8%)、医学的な副作用はなし |
※泌尿器科紀要52巻5号(2006年)の論文の要旨をもとに作成。人数の少ない研究で、すべての人に同じ効果が出るわけではありません。
包皮の口をやわらかくして広げる治療
ステロイド軟膏は、炎症をおさえ、皮膚をやわらかくするはたらきがある塗り薬です。
包茎の治療では、狭くなっている包皮の口に塗り、少しずつ広げていくことを目指します。
MSDマニュアルでも、子どもの包茎に対してステロイドの塗り薬を塗りながら、包皮を軽く伸ばす方法が紹介されているのです。
手術のように切ったり縫ったりしないため、体への負担が小さいのが特徴でしょう。
ただし、包皮の長さそのものを短くする治療ではありません。
「包皮の口を広げて、亀頭を出せるようにする治療」と考えるとわかりやすいでしょう。
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
研究で報告されている効果
泌尿器科紀要に載った国内の研究では、0.3〜12歳の男児34人にベタメタゾン吉草酸エステル軟膏を使いました。
包皮の先端に1日おきに塗り、包皮を根元のほうへ引くよう指導した結果、94.1%で効果があったと報告されています。
2週間の時点で、すでに58.8%の子どもに効果が見られたとのことです。
研究の期間中に、医学的な副作用はなかったとされています。
ただし、対象は34人と少なく、子どもを対象にした研究である点には注意が必要でしょう。
大人の包茎に同じ効果が出るとは限らないことも、知っておくと安心です。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
どんな包茎に使われるか
ステロイド軟膏が検討されるのは、包皮の口が狭く、手でむいても亀頭を出せない真性包茎の場合です。
日本小児泌尿器科学会は、おしっこのときに包皮がふくらむ「バルーニング」には、ステロイド軟膏か手術の治療を選べると説明しています。
一方、手でむくと亀頭を出せる仮性包茎は、もともと治療が必要ないことが多いでしょう。
むいた皮が戻らない嵌頓包茎は緊急の状態で、塗り薬で様子を見るものではありません。
どの治療が合うかは、医師が包皮の状態を診て判断します。
まずは泌尿器科や小児科で、包茎のタイプを診てもらいましょう。
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
ステロイド軟膏の塗り方と期間

ステロイド軟膏の効果を引き出すには、医師に指示された塗り方と期間を守ることが欠かせません。
塗るだけでなく、包皮を軽く引いて口を広げることを組み合わせるのがポイントです。
ここでは、次の3つを解説します。
- 包皮の口のあたりに薄く塗る
- 包皮を軽く引いて広げる
- 期間の目安と、むいたら戻すこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
包皮の口のあたりに薄く塗る
ステロイド軟膏は、狭くなっている包皮の口(先端)のあたりに塗るのが基本です。
国内の研究では、包皮の先端に1日おきに塗る方法がとられていました。
MSDマニュアルでは、子どもの場合に1日2〜3回塗る方法が紹介されているのです。
塗る回数や量は医療機関によって違うため、医師や薬剤師の指示に従ってください。
お風呂のあとなど、皮膚が清潔でやわらかいときに塗ると続けやすいでしょう。
塗る場所と回数は、処方されたときに確かめておくと安心です。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
包皮を軽く引いて広げる
薬を塗ったら、包皮を根元のほうへ軽く引き、口を少しずつ広げていきましょう。
MSDマニュアルでも、塗り薬と合わせて包皮を軽く伸ばす方法が紹介されています。
痛みが出るほど強く引っ張ると、包皮が切れて出血することがあるのです。
痛くない範囲で、少しずつ続けることが大切でしょう。
国内の研究でも、塗るだけでなく、包皮を根元のほうへ引くよう指導していました。
子どもの場合は、保護者が様子を見ながら、嫌がらない範囲で行ってください。
「痛くない範囲で、毎日少しずつ」を守りましょう。
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
期間の目安と、むいたら戻すこと
国内の研究では、治療の期間は2〜6週間で、2週間の時点で半数を超える子どもに効果が出ていました。
効果が出るまでの期間には個人差があり、医師が経過を見ながら続けるかどうかを判断します。
包皮がむけるようになったら、洗い終わったあとに忘れずに元に戻しましょう。
むいたままにしておくと、亀頭の後ろで締めつけて戻らなくなる嵌頓包茎になるおそれがあるのです。
決められた期間を過ぎても変化がない場合は、ほかの治療も含めて医師と相談しましょう。
自己判断で塗り続けたり、急にやめたりせず、医師の指示に従ってください。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
副作用と注意したいこと

ステロイドと聞くと、副作用が心配になる方もいるでしょう。
国内の研究では医学的な副作用はなかったとされていますが、カンジダが原因の炎症には逆効果になることもあるのです。
ここでは、次の3つを解説します。
- 研究では副作用は報告されていない
- カンジダが原因のときは悪化することがある
- 嵌頓包茎に気をつける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
研究では副作用は報告されていない
泌尿器科紀要に載った国内の研究では、治療の期間中に医学的な副作用はなかったと報告されています。
包茎の治療では、医師の指示で短い期間、決められた量を使うのが一般的でしょう。
ただし、陰部の皮膚は薄く、ステロイドを吸収しやすい場所とされているのです。
長い期間、自己判断で塗り続けるのは避けましょう。
皮膚が赤くなる、かゆみが強くなるといった変化があれば、使うのをやめて医師に相談してください。
医師の指示どおりに使い、気になる変化があれば早めに相談しましょう。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
医療機関の解説:包皮炎にリンデロンは使っていい?市販薬の選び方と注意点【薬剤師執筆】|EPARKくすりの窓口コラム
カンジダが原因のときは悪化することがある
亀頭や包皮が赤くなっている場合、原因が細菌なのか、カンジダ(カビの一種)なのかで治療が変わるのです。
薬剤師の解説によると、カンジダが原因の亀頭包皮炎にステロイドを使うと、カンジダが増えて症状が悪化することがあります。
白っぽいカスやかゆみがある場合は、カンジダの可能性も考えられるでしょう。
こうした場合は、自己判断でステロイドを塗らずに受診することが大切です。
医療機関では、原因を調べたうえで合った薬を出してもらえます。
赤みやかゆみがあるときは、先に原因を確かめてもらいましょう。
医療機関の解説:包皮炎にリンデロンは使っていい?市販薬の選び方と注意点【薬剤師執筆】|EPARKくすりの窓口コラム
嵌頓包茎に気をつける
治療で包皮の口が広がってくると、包皮をむきやすくなります。
このとき、むいた包皮をそのままにしておくと、亀頭の後ろで締めつけて戻らなくなることがあるのです。
MSDマニュアルでは、嵌頓包茎は緊急の対応が必要な状態とされています。
治療を始める前に、皮が戻らなくなったときの対応も医師に聞いておくと安心でしょう。
むいたあとは、毎回忘れずに元の位置に戻してください。
皮が戻らず腫れて痛むときは、自分で何度も押し戻そうとするのは避けましょう。
夜間でも救急外来を受診することが大切です。
一般情報:MSDマニュアル家庭版「包茎と嵌頓包茎」
市販のステロイド軟膏は使える?

ドラッグストアでもステロイドの塗り薬は売られていますが、包茎の治療に自己判断で使うのはおすすめできません。
陰部は皮膚が薄く、ステロイドの強さや使い方を医師に決めてもらう必要があるのです。
ここでは、次の3つを解説します。
- 市販のリンデロンは陰部にすすめられない
- 自己判断で塗ると原因に合わないことがある
- 受診すれば処方してもらえる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
市販のリンデロンは陰部にすすめられない
薬剤師の解説では、市販のリンデロンを包皮炎に使うことはすすめられないと書かれているのです。
陰部は皮膚が薄く、ステロイドを吸収しやすいからだと説明されています。
デリケートな部分には、いちばん弱いランクのステロイドか、ステロイドを含まない薬を使うのがよいとされているのです。
市販のリンデロンは、それより強いランクに分類されるとの説明でした。
包茎の治療のために、市販の強いステロイドを選ぶのは避けたほうがよいでしょう。
塗り薬を使いたいときは、まず医療機関で相談してください。
医療機関の解説:包皮炎にリンデロンは使っていい?市販薬の選び方と注意点【薬剤師執筆】|EPARKくすりの窓口コラム
自己判断で塗ると原因に合わないことがある
包皮が赤い、かゆいといった症状の原因は、細菌、カンジダ、かぶれなどさまざまです。
原因に合わない薬を塗ると、なかなか治らなかったり、かえって悪化したりすることがあります。
とくにカンジダが原因の場合、ステロイドで悪化するおそれがあるのは先に説明したとおりです。
「包茎を治したい」のか「炎症を治したい」のかでも、選ぶ薬は変わるでしょう。
自己判断で塗り始める前に、一度医師に診てもらうのが近道です。
市販薬を使ってよくならない場合は、使うのをやめて受診しましょう。
医療機関の解説:包皮炎にリンデロンは使っていい?市販薬の選び方と注意点【薬剤師執筆】|EPARKくすりの窓口コラム
受診すれば処方してもらえる
包茎の治療としてのステロイド軟膏は、泌尿器科や小児科で処方してもらうのが基本です。
医師が包皮の状態を診て、ステロイドの強さや塗り方、期間を決めてくれます。
治療の途中で経過を見てもらえるため、効果や副作用を確かめながら進められるのも安心な点です。
子どもの場合は小児科、大人の場合は泌尿器科が相談先になるでしょう。
受診のときは、いつから、どんな症状があるか、使った薬はあるかを伝えてください。
気になることがあれば、まずは泌尿器科か小児科に相談しましょう。
大人の包茎とステロイド軟膏

ステロイド軟膏の研究や公的な説明は、子どもの包茎を対象にしたものが中心です。
大人の包茎では、塗り薬で改善するかどうかに個人差があり、医師とよく相談して決めましょう。
ここでは、上の図の3つを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
大人の真性包茎は医師に相談
大人で包皮がむけない、むくと痛いといった場合は、まず泌尿器科で包茎のタイプを診てもらいましょう。
ステロイド軟膏の効果を示した国内の研究は、0.3〜12歳の子どもを対象にしたものです。
大人でも塗り薬が試されることはありますが、同じ効果が出るとは限らないでしょう。
包皮の口が硬く狭くなっている場合などは、手術がすすめられることもあります。
どの治療が合うかは、医師が包皮の状態を診て判断するのです。
自己判断で塗り薬を続けるより、早めに相談しましょう。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
仮性包茎は治療が必要ないことが多い
手でむくと亀頭を出せる仮性包茎は、ステロイド軟膏で治すものではありません。
国民生活センターの報告では、仮性包茎は多くの場合、清潔にしていれば問題はないという医師の助言が紹介されています。
MSクリニックも、成人の仮性包茎は自然に治ることはないと説明しているのです。
見た目を変えたい場合は、塗り薬ではなく手術が選択肢になるでしょう。
仮性包茎の手術は、保険の対象外で自費診療になります。
仮性包茎の人は、まずお風呂でむいて洗う習慣を大切にしましょう。
参考:美容医療サービスにみる包茎手術の問題点(2016年6月23日公表)|国民生活センター
医療機関の解説:仮性包茎とは?症状・治し方等について|MSクリニック
改善しない場合は手術も選択肢
ステロイド軟膏で改善しない真性包茎や、炎症をくり返す場合は、手術が選択肢になります。
国民生活センターの報告では、真性包茎やカントン包茎は保険医を受診すれば保険が適用されるとしているのです。
保険で手術を受ける場合、手術料の自己負担は3割で数千円が目安になります。
手術を考えるときは、保険が使えるかと総額を確かめてから決めましょう。
費用の詳しい目安は、費用相場の記事で解説しています。
参考:美容医療サービスにみる包茎手術の問題点(2016年6月23日公表)|国民生活センター
見た目も含めて相談したい場合は、無料カウンセリングを利用するのもひとつの方法です。
ステロイド軟膏「相談先の目安」チェック
当てはまるものを選ぶと、相談先の目安と気をつけたいことを表示します。
※このチェックは目安で、診断ではありません。迷ったときは医療機関で相談してください。
包茎のステロイド軟膏に関するよくある質問
ステロイド軟膏について、よく寄せられる質問にお答えします。
参考:Kitsukawa S, et al. 小児包茎に対するベタメタゾン吉草酸エステル軟膏による保存的治療の早期効果|泌尿器科紀要 52巻5号(2006年)
まとめ|ステロイド軟膏は医師の指示で、包皮を広げながら使おう
ステロイド軟膏は、包皮の口をやわらかくして広げ、亀頭を出せるようにするための塗り薬です。
子どもを対象にした国内の研究では、2〜6週間で9割を超える子どもに効果があったと報告されています。
陰部は皮膚が薄く、カンジダが原因の炎症では悪化することもあるため、市販薬を自己判断で使うのは避けましょう。
大人の場合や改善しない場合は、手術も含めて泌尿器科で相談することが大切です。
塗り薬で包皮がむけるようになったら、むいたあとは忘れずに元に戻してください。
手術も含めて相談したい方は、無料カウンセリングを利用できます。
